= 調教師と組織 =

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昨日、TBSの番組で
「林先生の痛快!生きざま大辞典」
という深夜番組を見ていた。


その番組は
様々な業界で活躍している方の生き様を紹介する番組だ。


=開成の頭脳で 競馬界に革命=
競馬調教師 矢作芳人さん

 

矢作さんは開成を卒業した後
東大にも医学部にも行かず
競馬の道へ。

 

海外経験をしたあと
調教師試験を14回目で合格し
調教師になったという非常に変わった経歴を持っている。

 

彼の厩舎(きゅうしゃ)のスローガンは
「よく稼ぎ、よく遊べ」
だそうだ。
確かに変わっている。


しかし、その中でも気になるのは
13回も落ちた調教師の試験がどれだけ難しいのかということだ。

この試験では
次のような問題が出題されるらしい。


Q、あなたの厩舎の資料に禁止薬物を入れたという脅迫電話が来た。どうしますか?


馬についての問題が出ると思ったら
いきなり何を意図しているのか分からない質問。


自分が受験者だったら、おそらく吹いているだろう。


皆さんは、わかりましたか?

それでは、答えです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


A、そんなことをされても、ビクともしません。

 

まさかの解答に
テレビでの解答者一同唖然。

 

私も「は?笑」とつい口に出てしまった。

 

この問いの意図はなんだったのか
それは「肝」が座っているかどうか。


つまり
その電話が来たとしても
万が一レースの前だったら、もう確かめようがないし
馬を出さないなら、出さない。
馬を出すなら、出す。
ただし、全ての責任はあなたが負ってくださいね。

ということらしい。


うーん。
という感じだが
まぁそれはそうだ。


馬はいつも走っている。
もし検査しても結果がでるのには、時間がかかるだろう。
確かにそう考えると
「ビクともしない精神」
それは調教師にとって必要なものなのだな。
と、感じた。

 

また念願が叶って
調教師になれた矢作さんはついに厩舎を持った。
そこは数十名で構成される馬を調教するところだ。

矢作さんは
著書「開成調教師 安馬を激走に導く厩舎マネジメント」で
彼の組織観について、次のようなことも述べている。


「人を育てるのは、相手に寄り添うための感性。」


相手の立場に立つ。
そして、よく観察し、一人一人の性格をしっかり把握しなさい。
そうしなければ、本質的なマネジメントはできない。


競馬界、政界、経済界、スポーツ界
どこの世界においても
「組織」というものにはセオリーがあるようだ。

やはり
組織の上に立つ人の見ている世界は
自分達とはどこか違う気がする。

そして
その世界は組織の上に立たないとわからないのだろう。

自分もその視点を持って
新しい世界を切り開いていきたい。